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works&technica休刊のお知らせ

By sakahiro On 2009年10月20日 · Add Comment · In インターネット
すべての読者のみなさん、こんにちは。 ワクテカ編集部の盛田くじらです。 編集部はここで一回、エネルギー充填のため更新をストップします。 ワクテカは、開始当初に好評をいただいた「かーず麺」企画に始まり、包丁の選び方に、地デジ生字幕の作り方、面白いウェブコミックの紹介、さらには話題の食べ物レビューなど、「なんでもあり」を旗印にしてきました。 ニュースサイトとは少し色の違う「濃い味のメディア」を目指して、今年三月から丹精込めてじっくり運営をつづけてきましたが、ここで新たな助走をつけ、より高みを目指すつもりです。 わずか半年間ですが、皆さんのブックマークに1つでも、心に留まるworks&technicaが残されていたら嬉しいです。 それではまた、戻ってきたそのときに。  世にあふれる素敵な物事とすばらしい技術をひとりでも多くの方に紹介するべく運営してきたworks&technicaですが、ここでしばらくお休みの時間をいただくことになりました。  休刊というかたちになりますが、サイトを閉鎖するわけではりません。編集部では、今までに紹介した素晴らしい“works”と“technica”をいつでも閲覧できるよう、アーカイブとしてサイトを残しておく方針です。  ご愛読いただいた読者諸氏、執筆陣の皆さま、関係各位に深く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。  それではまたの機会にお会いしましょう。 ワクテカ編集部 運営担当:坂本洋史
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今度はピノキオまで悪キャラに――アングレームを受賞したヴィンシュルスの傑作!

By kujira On 2009年10月9日 · Add Comment · In +連載・原正人の「なぜ私はヨーロッパマンガを愛するようになったか」
Vincent Parronaud 「Monsieur Ferraille」 ## 原正人の「なぜ私はヨーロッパマンガを愛するようになったか」 「こんな時代だからアクセスできるけど、気軽に手を出すにはちょっとよくわからん」というマンガを深追いする連載企画。フランスマンガ研究家の原正人氏が、いまだ知られざるヨーロッパマンガの魅力を隔週金曜日にどっぷりと紹介していく。  前回はヴィンシュルスの代表作として主に『ムッシュー・フェライユ』を紹介した。ディズニー映画をはじめとするアメリカのかわいいマンガやアニメーションを参照しつつ、内容的にはあきらかにアンダーグラウンドな、下品でバカバカしく、時に嫌悪感を抱かせるような作品を描くというのがヴィンシュルスの特徴である。  しかし、ヴィンシュルスの力量はそこにだけ留まるものではない。2001年刊の『デス・クラブへようこそ』(Welcome to the Death Club, 6 Pieds sous Terre)や『パット・ブーンのハッピー・エンド』(Pat Boon – Happy End, L’Association)は、同じような下品な話を語りつつも、そこにそこはかとない叙情が漂っているのである。なお、これらの作品はどちらも白黒で、ほとんどセリフなしで描かれている。 続きを読む≫ ■親子と死の姿を描いた短編に注目「デス・クラブへようこそ」  『デス・クラブへようこそ』は死をテーマにした短編集だ。とりわけ「父と息子」という死神の父子の話が最高!  ある日、テレビで人間の子どもを救う天使の番組を見て、息子はそれに憧れを抱く。父が仕事で出かけている間に天使の輪や羽根を自作し、おまけに全身白塗りをして、鏡の前に立ち、悦に入っている。  そこに父が帰ってきて、息子はこっぴどく叱られてしまう。いじけた彼は死神の父との決別を決意し、天使の使命を全うしようと人間界に向かうのだが、そこで彼を待っていたのは……というお話。  家出する息子の姿に目をそらす父親の背中の哀愁が実にいい。 「Welcome to the Death Club」    ■どうしようもない日々が美しい「パット・ブーンのハッピー・エンド」  『パット・ブーンのハッピー・エンド』はさえない青年、ブーンの日常を描いた作品。  女に振られ、バーでぼったくられ、近所の年寄りにいじめられ……とまったくいいことなしの彼の日常だが、絶望しきっていた彼に思いがけないハッピー・エンドが訪れるという話である。  絶望の中に訪れる救いは最低のものなのだが、なぜかほろりとさせられてしまう。作中作のような形で、クリュック&クリュックスというKKKの二人組やパット・ブーンの数少ない友人でぶっちょスリム、パット・ブーンをいじめるおばあちゃんの逸話が語られたりしていて、これがまたかわいい。  ヴィンシュルスのこのような側面はアニメーションの仕事にも表れている。「レイジング・ブル」ならぬ「レイジング・ブルース」(Raising Blues)という短編があるのだが、ヴィンシュルス一流の悪意のようなものはほの見えるものの、これは前回紹介したムッシュー・フェライユものとはかなり趣きを異にしている。 「Pat Boon – Happy End, L’Association」    ■アングレームで受賞、アニメだけではなくマンガでも評価される作家に!  さて、このような仕事を続けてきたヴィンシュルスが一躍脚光を浴びたのが、前回の冒頭で紹介したアニメーション作品『ペルセポリス』だった。日本では公開こそされたものの、そこまで注目を浴びなかったようだが、非常にすばらしい作品である。マルジャン・サトラピの原作を読んだ者にも十分楽しめる作りになっている。  『ペルセポリス』はあくまでアニメーションの仕事だったが、昨年ついにヴィンシュルスはバンド・デシネにおいても広く知られることになった。2008年に出版された彼の最新作『ピノキオ』(Pinocchio, Les Requins marteaux)がアングレーム国際バンドデシネ・フェスティヴァルで、最優秀作品賞を受賞したのである。  これはディズニーの『ピノキオ』を換骨奪胎した作品で、『ムッシュー・フェライユ』において見られたヴィンシュルスの悪意は健在である。ディズニー版では、ピノキオを人間らしく見せようという努力が払われているのだが、ヴィンシュルス版のピノキオはいつまでたっても何を考えているのかわからない不気味なロボットにすぎない。  ピノキオの良心であるはずのこおろぎのジミニーは、ピノキオに寄生して飲んだくれ、芸術家気取りで非生産的な日常を送るたちの悪いゴキブリとして描かれる。色情狂の七人の小人まで現れ、ヴィンシュルス節全開である。  実は、彼は『ムッシュー・フェライユ』の中で『ピノキオ』ネタに既に一度挑戦している。露悪趣味が少々鼻についたその作品を、彼は長い年月をかけて、悪意はそのままに見事なエンターテインメントに仕立てあげることに成功した。  ヴィンシュルスの今後の活躍に要注目である。   「Pinocchio, Les Requins marteaux」  text by 原正人 ## 原正人の「なぜ私はヨーロッパマンガを愛するようになったか」 「こんな時代だからアクセスできるけど、気軽に手を出すにはちょっとよくわからん」というマンガを深追いする連載企画。フランスマンガ研究家の原正人氏が、いまだ知られざるヨーロッパマンガの魅力を隔週金曜日にどっぷりと紹介していく。 第1回 「荒木飛呂彦と宮崎駿の共通点は?」 (4月3日) 第2回 「エンキ・ビラル最新作『アニマルズ』を読む」 (4月3日) 第3回 「フランス漫画の巨匠・メビウス来日!」(5月7日) 第4回 「フランス漫画の巨匠・メビウスを「日本語」で読む」(5月22日) 第5回 「超絶技巧のアート漫画、ニコラ・ド・クレシーを読むっ!【前編】」(6月12日) 第6回 「超絶技巧のアート漫画、ニコラ・ド・クレシーを読むっ!【後編】」(6月26日) 第7回 「ベルギー生まれの画力系マンガ家、シュイッテンの美技に酔う!」(7月9日) 第8回 「ベルギー生まれの画力系マンガ家、シュイッテンの美技に酔う!【後編】」(7月24日) 第9回 「知られざる漫画家アントワーヌ・マチュー、「ルーヴル美術館の謎」巡る物語に注目」(8月7日) 第10回 「主人公の行動を予期するマンガ、ページをバッサリ切り抜いたマンガ――フランスのマンガ家、アントワーヌ・マチューは謎だ!!」(8月21日) 第11回 「フランス漫画にエロカワ×ポップな新人類 アルチュール・ド・パンスのキュートな世界」(9月11日) « Hide it
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まさに美貌の無駄遣い! 「その発想はなかったわ」な、踊ってみた動画

By kujira On 2009年9月29日 · Add Comment · In +連載・全農連Pの「評価されるべきMAD」
## 「連載・全農連Pの評価されるべきMAD」目次 「IKZO」シリーズで話題をさらったMAD作家・全農連P氏が選ぶ、「もっと評価されるべきニコ動のクリエイター」を毎週火曜日に紹介しています。  「踊ってみた」といえば、古くは「レッツゴー陰陽師」や「中曽根ティーチャー」といったものが存在し、どちらかと言えばその踊りで笑わせてくれるものが多い印象。しかし、最近は可愛い女の子が大量に乱入、もはや「ネットアイドル」の巣窟といった感じだろうか。いや、あんまり無責任なこと言うと某掲示板で怒られそうだけど。  そんな中で見つけたちょっと「発想の斜め上」を行くのが今回紹介する動画だ。 続きを読む≫  みくのんという踊り手をご存知だろうか?  セガから発売されたゲームソフト「初音ミク-Project DIVA-」の企画で優秀賞に選ばれたり、素晴らしいスタイルと美貌の持ち主で人気の踊り手なのだが……   !?    まさに「実写MAD」。まさに「美貌の無駄遣い」。元ネタはこちらの動画。これを参考に、自身を「踊らせた」のだという。  「一体どうやって作ったのか?」というのは動画を見ていれば何となく想像が付くのだが、「まさか……」と思って作った本人に聞いてみたところ……  「フォトショ(Photoshop)で700枚近い画像を作って、それをウィンドウズムービーメーカーで切り貼りしました」とのこと。   !?    ニコ動には「努力の方向音痴」が溢れているが、まさにその最たるものを見た気がする。いや、いい意味で。素晴らしい。「どういった動画に影響を受けて作ったか?」という事を聞いてみたら「ボカロオリジナル曲である『ハイセンスナンセンス』のような動画を作りたかった」とのこと。みくのんさんは以前にもその曲のPVを再現する動画を作っているが、そのリベンジだったのだろう。  元動画の作者にこの動画について聞いてみると……  「自分で作った時にNiVEというソフトで工程を省いたところを、ウィンドウズムービーメーカーでの切り貼りというパワープレイでやってのけたところに感動した」とのこと。  「努力の方向音痴」というものはニコ動では決して珍しいものではないのだが、今回の動画はその中でも屈指の方向音痴っぷりだろう。ただ凄い技術を持っているだけでなくても、ちょっとした発想や地道な努力だけでも面白い動画は作れる、そういうところがニコ動の面白さの一つだ。  text by 全農連P ## 「連載・全農連Pの評価されるべきMAD」目次 「IKZO」シリーズで話題をさらったMAD作家・全農連P氏が選ぶ、「もっと評価されるべきニコ動のクリエイター」を毎週火曜日に紹介しています。 第1回 「踊れる本格的ガチムチサウンド」 (3月24日) 第2回 「8bitなピコピコPerfume!」(3月31日) 第3回 「“自動販売機の中の人”とMADの可能性」(4月7日) 第4回 「ニコ動“描いてみた”が生んだ革命的傑作」(4月14日) 第5回 「8bitなピコピコPerfume、ふたたび!」(4月21日) 第6回 「初音ミク、インドに渡る?」(4月28日) 第7回 「東方MADで「ゆっくりみなぎっていってね!」」(5月12日) 第8回 「知る人ぞ知る初音サウンド「マゾミク」って何だ?」」(5月19日) 第9回 「ニコニコインディーズの生音感が熱い」(5月26日) 第10回 「もっと豹化されるべき初音ミク」(6月2日) 第11回 「ニコニコ動画流星群だけじゃない、カリスマニコ厨の隠れた名作」(6月9日) 第12回 「伝説のクソゲー、日本伝統文化とまさかの融合」(6月16日) 第13回 「みwなwぎwっwてwきwたwふwたwたwびwww」(6月23日) 第14回 「もっと豹化されるべき「描いてみた」」(6月30日) 第15回 「ニコ動で驚異的な人気の理由は:今さら聞けない「ガチムチ兄貴」の基礎知識」(7月14日) 第16回 「アイマス×ボカロ×東方――クロスジャンルで楽しみ広げる、ニコニコ動画「雑食力」のススメ」(7月21日) 第17回 「ニコ動×DS-10の可能性をめぐって」(7月28日) 第18回 「初めての曲「3時間くらいで歌詞書きました」Aliced Twilightz、Lincoさんが語る」(8月4日) 第19回 「「斜め上」に進化していく、hitonariPのニコMAD」(8月12日) 第20回 「らっぷびとだけじゃない、ニコ動発の「ネットラッパー」」(8月20日) 第21回 「ニコニコ動画で謎のブーム「スネ夫が自慢話をするときに流れている曲」をめぐって」(9月2日) 第22回 「スネ夫の次はファミマ! ニコニコ動画・謎のブームから生まれた、「マイリス余裕」のリミックス動画6連発」(9月15日) 第23回 「まさに美貌の無駄遣い! 「その発想はなかったわ」な、踊ってみた動画」(9月29日) « Hide it
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こんなに悪そうなロボット初めて見た―― フランスの気鋭・ヴィンシュルスが描く、メタメタ黒笑漫画

By kujira On 2009年9月25日 · Add Comment · In +連載・原正人の「なぜ私はヨーロッパマンガを愛するようになったか」
Vincent Parronaud 「Monsieur Ferraille」 ## 原正人の「なぜ私はヨーロッパマンガを愛するようになったか」 「こんな時代だからアクセスできるけど、気軽に手を出すにはちょっとよくわからん」というマンガを深追いする連載企画。フランスマンガ研究家の原正人氏が、いまだ知られざるヨーロッパマンガの魅力を隔週金曜日にどっぷりと紹介していく。  前回の記事でアルチュール・ド・パンスを紹介した流れで、今回も日本ではあまり知られていない若い世代の作家を紹介したい。  今回紹介するのはヴィンシュルス(Winshluss)という作家だ。1970年フランス生まれだから若手というと違和感があるかもしれない。ここ数年の活躍で、フランスでの知名度はかなり上がっていると思われる。 続きを読む≫ ■何を隠そう、あのアニメ映画「ペルセポリス」の監督です  日本でこの作家の名前を知っているという人はかなりのBD通と言っていいのではないだろうか? あるいは、ヴィンシュルスの本名ヴァンサン・パロノー(Vincent Parronaud)なら聞いたことがあるという人がいるかもしれない。  何を隠そうヴィンシュルス=ヴァンサン・パロノーとは、マルジャン・サトラピ原作のバンド・デシネ『ペルセポリス』(バジリコ刊)のアニメ版をサトラピその人と共同監督した人物なのだ。  フランスでは1990年頃から、SFや冒険もの、ヒロイック・ファンタジーといった大手出版社の主流とは異なるテーマの作品を、若い作家たちが小出版社から出版しはじめ、それがバンド・デシネを内容的にも外形的にも変えていくことになる。  代表的な作家が上に挙げたサトラピや彼女の先輩に当たるダヴィッド・ベー、ルイス・トロンダイム、エマニュエル・ギベール、ジョアン・スファールだったりするのだが、その周辺に多くの作家たちがおり、ヴィンシュルスもそういった作家の一人だった。  ヴィンシュルスは仲間たちと語らってレ・ルカン・マルトー(Les Requins marteaux)というグループを形成し、その雑誌『フェライユ(※くず鉄の意)』(Ferraille)に『ムッシュー・フェライユ』(Monsieur Ferraille)という同名のロボットを主人公にした一連の作品を掲載する。  日本語に訳せば、「ミスターくず鉄」とか「くず鉄マン」ぐらいな感じだろうか。この作品は後にまとめられ一冊の本として出版されている(表紙は右、Monsieur Ferraille, Les Requins Marteaux, 2001)。  表紙をご覧いただけばわかるとおり、実にかわいらしいキャラクターが描かれているのだが、その内容ときたら、下品きわまりない。裏表紙もご覧いただこう。この表裏の絵が『ムッシュー・フェライユ』の特徴を見事に要約している。  もう少し詳しく紹介しておくと、内容的には、ムッシュー・フェライユが無垢な女性をかどわかしたり、恋に悩む弟分のボブに仕様もないアドヴァイスし、その結果惨事が起こるという話ばかりである。ヴィジュアルの参照項はアメリカの古いコミックスやアニメーションで、それらに対するからかいに満ちたパロディーが次々と展開される。  中でも傑作は、第二次世界大戦直前にさえないマンガを描いていたマンガ家ウォルトシュルスとゴンゾの数奇な運命を語るという一種のメタ作品。  『スーパー・ロボット』という作品で一躍有名になった彼らが、運命に操られるままヒトラーのドイツ、スターリンのソ連を経てロズウェルに辿りつくという実にバカバカしい話に仕上がっている。  巻末に収められたムッシュー・フェライユがボブと連れだって、アングレーム国際バンドデシネ・フェスティヴァルを訪れるという話も実にいい。   Vincent Parronaud 「Monsieur Ferraille」  冒頭でヴィンシュルスが『ペルセポリス』アニメ版の監督を務めているという話をしたが、彼はバンド・デシネの作家であると同時に、アニメーション作家でもある。ムッシュー・フェライユものの« O’ boy, What nice legs ! »という短いが実にいい味の作品があるのでご覧いただこう。 You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video  このアニメーションにも関わっているシーゾ(Cizo)という人物は、ヴィンシュルスの重要なパートナーで、多くの作品に共作者として名を連ねている。噂ではこのシーゾはまったく絵が描けないとのこと。  まったくの余談だが、彼はかつて日本のマンガ週刊誌『モーニング』にコラージュ的なマンガ作品を寄せたことがある。  次回はもう少しヴィンシュルスの話を続けたい。  text by 原正人 ## 原正人の「なぜ私はヨーロッパマンガを愛するようになったか」 「こんな時代だからアクセスできるけど、気軽に手を出すにはちょっとよくわからん」というマンガを深追いする連載企画。フランスマンガ研究家の原正人氏が、いまだ知られざるヨーロッパマンガの魅力を隔週金曜日にどっぷりと紹介していく。 第1回 「荒木飛呂彦と宮崎駿の共通点は?」 (4月3日) 第2回 「エンキ・ビラル最新作『アニマルズ』を読む」 (4月3日) 第3回 「フランス漫画の巨匠・メビウス来日!」(5月7日) 第4回 「フランス漫画の巨匠・メビウスを「日本語」で読む」(5月22日) 第5回 「超絶技巧のアート漫画、ニコラ・ド・クレシーを読むっ!【前編】」(6月12日) 第6回 「超絶技巧のアート漫画、ニコラ・ド・クレシーを読むっ!【後編】」(6月26日) 第7回 「ベルギー生まれの画力系マンガ家、シュイッテンの美技に酔う!」(7月9日) 第8回 「ベルギー生まれの画力系マンガ家、シュイッテンの美技に酔う!【後編】」(7月24日) 第9回 「知られざる漫画家アントワーヌ・マチュー、「ルーヴル美術館の謎」巡る物語に注目」(8月7日) 第10回 「主人公の行動を予期するマンガ、ページをバッサリ切り抜いたマンガ――フランスのマンガ家、アントワーヌ・マチューは謎だ!!」(8月21日) 第11回 「フランス漫画にエロカワ×ポップな新人類 アルチュール・ド・パンスのキュートな世界」(9月11日) « Hide it
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秋ですが、なぜかテーマは「トマト」です――日本最大級の熱い投稿動画料理コンテスト「ニコニコ料理祭」がいよいよ開幕

By kujira On 2009年9月19日 · Add Comment · In 動画, 食べもの
 男子たるもの、レディメイドよりも自作にこだわりたい。もちろん料理の話だ。  CGMのレシピサイトというとクックパッドやみんなのきょうの料理がぱっと浮かんでくる。イメージからすると意外かもしれないけれど、ニコニコ動画(ニコ動)にも、動画でレシピを集めた「料理」というジャンルがあるのだ。  その料理タブで4ヵ月おきに開催されているのが「ニコニコ料理祭」。その「秋祭り」がいよいよ今日からはじまっている。 続きを読む≫  2ちゃんねるが発端となってはじまったこの企画は、1つのお題に沿って料理を徹底的に募るというもの。優勝者などを決めていくわけではないけれど、テーマがはっきりしているだけに「使える」レシピが集めやすい。  第5回のテーマはなぜか秋なのに「トマト」。募集期間は今日から21日までだ。すでにさっそく「トマトのレアチーズケーキを作る」「石釜を作ってピザを焼いてみた」など、気合いの入りまくったレシピが次々登場している。  中には「電気トマトケーキを作ってみた(自走式)」など、「それ、どういうことなの……」と思ってしまうような、パフォーマンスに走った「ネタ系レシピ」もちらほら混ざっているが、それもあわせて楽しむのがニコニコ動画ならではの「お祭り感」というやつなのでは。 « Hide it
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スネ夫の次はファミマ! ニコニコ動画・謎のブームから生まれた、「マイリス余裕」のリミックス動画6連発

By kujira On 2009年9月15日 · Add Comment · In +連載・全農連Pの「評価されるべきMAD」
## 「連載・全農連Pの評価されるべきMAD」目次 「IKZO」シリーズで話題をさらったMAD作家・全農連P氏が選ぶ、「もっと評価されるべきニコ動のクリエイター」を毎週火曜日に紹介しています。  前回のコラムで取り上げた「スネ夫」ブーム。こういうリミックスブームは過去にも「チーターマン」などの例はあるのだが、まさか「連続で」起こるとは……。本当にニコ動では何が流行るか分からない。 続きを読む≫ ■electribeでアップ店舗なビートが発生 フロア、温めますか?  今回のブームは「ファミマの入店時のあのメロディを使ったリミックス」だ。  また例のごとく、突然ランキングに現れたかと思ったら一気に巨大なムーブメントへ。本家の動画の伸びもすさまじいが、今回は派生動画もかなりの伸びとなっている。それはやはり「タグやコメント遊びが非常に面白い方向に行っているから」なのだろうか。  まず本家から。  これはKORGの「electribe」というシンセを使って作られたファミマリミックス。動画を再生した直後から「聞き覚えのあるあのメロディ」が。そして0:40頃からテンポが速くなってくる。タグには「アップ店舗」と。なるほど、タグ把握。  そして1:07、タイトルの通り、テンションが上がってくる。そこからは声ネタをセンスよく使った聴き心地の良いリミックス。そうして「フロア、温めますか?」と言わんばかりにテンションがどんどん上がっていき、やってきた4:22で「店長出勤」だ。 ■ボーカル入り、まさかのオーケストラ、東方アレンジ、そして僧職系まで  次に盛り上がりを見せたのはこちらの動画だ。  超スピードで今度はボーカルが乗った。無論、オケも別のリミックスだ。  タイトルの通り、電波系な曲になっていて中毒性が高い。しばらく聴いていたら「ふぁみふぁみふぁみ~♪ふぁみふぁみま~♪」と口ずさんでいることだろう。実際、最近これが頭から離れなくて困る。もう何か作ってやろうかと思うくらい。    さらには「その発想は無かったわ」的なものも。  混ざる、とにかく「あの名曲」と混ざる。  画像の面白さも相まってタグやコメントが楽しすぎる。    まさかの「オーケストラ」  オーケストラ風にアレンジするのは昔からどのジャンルでもあったが、ご多聞に漏れず凄まじいクオリティでいらっしゃる。「ドアがウイーン」タグを考えた奴は天才だと思う。    そして「幻想郷入り」  東方風アレンジはスネ夫ブームでも話題になったが、やっぱりな。満を持しての「東方店舗録」。「ゲーム化」はまだだろうか?    さらにあの「僧職系男子」まで参戦。画像がいちいち笑いを誘う。  ニコ動を見ていて常々思うのだが、本当にこの場所は「集合知の無駄遣い」だ。いや失礼、「有効活用」の間違いだ。  名無しの「タグ職人」が次々に現れて書いていったタグの中から、センスあるものが残り、どんどん洗練されていった結果だ。コメントもまたそうだが、ニコ動での盛り上がりというのはこれと非常に密接な繋がりがあるような気がしてならない。  名無しの天才が才能を無駄遣いしている間は、ニコ動は安泰なのかも知れない。  text by 全農連P ## 「連載・全農連Pの評価されるべきMAD」目次 「IKZO」シリーズで話題をさらったMAD作家・全農連P氏が選ぶ、「もっと評価されるべきニコ動のクリエイター」を毎週火曜日に紹介しています。 第1回 「踊れる本格的ガチムチサウンド」 (3月24日) 第2回 「8bitなピコピコPerfume!」(3月31日) 第3回 「“自動販売機の中の人”とMADの可能性」(4月7日) 第4回 「ニコ動“描いてみた”が生んだ革命的傑作」(4月14日) 第5回 「8bitなピコピコPerfume、ふたたび!」(4月21日) 第6回 「初音ミク、インドに渡る?」(4月28日) 第7回 「東方MADで「ゆっくりみなぎっていってね!」」(5月12日) 第8回 「知る人ぞ知る初音サウンド「マゾミク」って何だ?」」(5月19日) 第9回 「ニコニコインディーズの生音感が熱い」(5月26日) 第10回 「もっと豹化されるべき初音ミク」(6月2日) 第11回 「ニコニコ動画流星群だけじゃない、カリスマニコ厨の隠れた名作」(6月9日) 第12回 「伝説のクソゲー、日本伝統文化とまさかの融合」(6月16日) 第13回 「みwなwぎwっwてwきwたwふwたwたwびwww」(6月23日) 第14回 「もっと豹化されるべき「描いてみた」」(6月30日) 第15回 「ニコ動で驚異的な人気の理由は:今さら聞けない「ガチムチ兄貴」の基礎知識」(7月14日) 第16回 「アイマス×ボカロ×東方――クロスジャンルで楽しみ広げる、ニコニコ動画「雑食力」のススメ」(7月21日) 第17回 「ニコ動×DS-10の可能性をめぐって」(7月28日) 第18回 「初めての曲「3時間くらいで歌詞書きました」Aliced Twilightz、Lincoさんが語る」(8月4日) 第19回 「「斜め上」に進化していく、hitonariPのニコMAD」(8月12日) 第20回 「らっぷびとだけじゃない、ニコ動発の「ネットラッパー」」(8月20日) 第21回 「ニコニコ動画で謎のブーム「スネ夫が自慢話をするときに流れている曲」をめぐって」(9月2日) 第22回 「スネ夫の次はファミマ! ニコニコ動画・謎のブームから生まれた、「マイリス余裕」のリミックス動画6連発」(9月15日) « Hide it
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真っ赤な部屋に泊まるという「芸術」―― 大地の芸術祭2009レポート@屋内【後編】

By kujira On 2009年9月11日 · Add Comment · In アートレポート
マリーナ・アブラモヴィッチ / 「夢の家」  いよいよ明後日が最終日となった「越後妻有アートトリエンナーレ 大地の芸術祭2009」。4回に渡って続けてきたレポートもこれでいよいよ最終回。廃校となった学校や、空き家になった古民家を舞台に作られた作品を紹介していこう。 続きを読む≫ マリーナ・アブラモヴィッチ / 「夢の家」  はじめは冒頭にも写真を載せた、色ガラスを窓に入れた古民家。フィルターをかけたわけでも、レタッチをかけたわけでもありません。赤、青、緑、紫とそれぞれのカラーに染まった部屋に分かれたこの家は宿泊施設になっている。部屋の真ん中に置かれた棺桶で眠って夢を見る、その体験そのものが作品になるというもの。 マリーナ・アブラモヴィッチ / 「夢の家」  そこで見た夢を記録するノートも置かれ、自由に閲覧できるようになっている。夢は自分でも他人の記憶を覗き込んでいるような不思議なもの。「サザエさんの夢。波平の様子がおかしく、タラとイクラに『本気でフネのことを愛しているんだ』と告白する」など、ていねいに記録された夢を読んでいくのはおかしく、どこか果てしない気分になる。 蓬平 / 「いけばなの家」  つづいては、家中にいくつもの作品をちりばめた「いけばなの家」。ここではとりわけ目立った作品だけを紹介するが、本当はもっともっと美しい作品があるのでじっくり見てまわってほしい。 蓬平 / 「いけばなの家」  まず外観を見て、「生け花」が民家から張り出しているのに口が半開きになる。急なカーブを描いてしなる竹が力強く、アンテナのように伸びている様にちょっと笑ってしまった。 蓬平 / 「いけばなの家」  光と影の穏やかなコントラストを生かした作りの室内、しんとした空気に背筋がぞくぞくする。ここで作られた作品のテーマは「協同」。ふつうは個の世界で作られる生け花が、だれかとのコミュニケーションを核に変化していく。 蓬平 / 「いけばなの家」  外にも飛び出していたしなりのある竹。節できゅっとむすばれた赤い布のこぶが、青竹の表面にちいさな影を落とす。生命の動きをそのまま「生けた」ような、いまにもすぽーんと飛び出していってしまいそうな、それでいて静かな作品。ぼくはこれが一番好きだった。 アントニー・ゴームリー / 「もうひとつの特異点」  前編で紹介した「家の記憶」と同じく、家の中をことごとく線で切り分けた作品。家の記憶が毛糸で出来ていて、触れること、縒れば着られるあたたかなものを素材にしていたのに対して、こちらはワイヤー。それも壁や家具など、人の息づかいが感じられるすべては取り払われた、骨組みだけの空間だ。そのぶん神聖でさえある、無機質なぴんと張り詰めた空気に胸が緊張する。特異点(シンギュラリティ)とは宇宙のはじまりのこと。むきだしの黒い家に浮かぶワイヤーは、星座を結んだ線のように敬虔に美しい。 クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマン / 「最後の教室」  電球や蛍光灯を中心に、「本当ならそこに人がいた」ことをあらわす作品が並んだ廃校の校舎。写真はガラスケースのベッドに、蛍光灯のまくらが並んだもの。蝉の抜け殻みたいに魂の入れものがしらじら光っているような気がする。裸電球の下がった廊下を歩いていると、自分自身を見つめなおす本当の「内省」が出来るような気がする。 松澤有子 / 「enishi」  最後は、廃校になった赤倉小学校に残った脚立や一輪車をまちばりで覆った作品。大きなくもの巣がきらきらと輝き、まち針の頭が露のように光る。まち針をテグスに通す作業は地元の人々と一緒におこなったもの。enishi、縁とは永遠のものだけれど、それを感じられるのは本当に一瞬のこと。主のいないくもの巣は、廃校の残された記憶の抜け殻のように、切なくて、あたたかくて、涙がにじむほど美しい。 ■アート好きならこちらの記事もどうぞ! ・新潟には光学迷彩の古民家がある!?―― 大地の芸術祭2009レポート@屋内【前編】 ・巨大な色鉛筆が落っこちてきそうな森―― 大地の芸術祭2009レポート@野外【後編】 ・田んぼの中から巨大な帆船が出航?! ――大地の芸術祭2009レポート@野外【前編】 ・アートフェア東京2009のすごい作品 ・六本木はアート・シティの夢を見るか? ■関連サイト ・越後妻有アートトリエンナーレ 大地の芸術祭2009 « Hide it
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フランス漫画にエロカワ×ポップな新人類 アルチュール・ド・パンスのキュートな世界

By kujira On 2009年9月11日 · Add Comment · In +連載・原正人の「なぜ私はヨーロッパマンガを愛するようになったか」
Arthur de Pins 「Petits Péchés Mignons」 ## 原正人の「なぜ私はヨーロッパマンガを愛するようになったか」 「こんな時代だからアクセスできるけど、気軽に手を出すにはちょっとよくわからん」というマンガを深追いする連載企画。フランスマンガ研究家の原正人氏が、いまだ知られざるヨーロッパマンガの魅力を隔週金曜日にどっぷりと紹介していく。  今回は今まで紹介してきた作家たちとは趣きを異にする若い作家を紹介したい。  彼の名前はアルチュール・ド・パンス(Arthur de Pins)、1977年生まれの32歳。アニメーションを学び、イラストレーターを経て、今現在はバンド・デシネも精力的にこなす男性作家だ。彼の仕事はまだまだ日本では広く知られていないが、この夏に日本を訪れた彼からいろいろと話を聞くことができた。 続きを読む≫ ■「パワーパフガールズ」風のポップなイラストだけど、セックスシーンも出てきます  頭が大きく目のパッチリしたキャラクターが特徴的で、その作風は日本のマンガ・アニメの影響を強く感じさせる。実際、マンガ・アニメ、さらにはテレビ・ゲームから受けた影響をはっきりと認めている。  彼が描くイラストレーションやバンド・デシネはきわどいテーマを扱ったものが多い。セックスシーンがあけすけに描かれていたりもする。だが、爽やかな色を使っていることや登場人物たちがあっけらかんとしていることもあって、絵にいやらしさが感じられない。  フランスでは、バンド・デシネはまだまだ男性ファンのものという通念があるのだが、彼の作品には女性ファンも多いのだとか。  現在、フリュイド・グラシアル(Fluide Glacial)という出版社から『かわいい罪』(Péchés Mignons)というバンド・デシネを刊行中だ。単行本が既に第三巻まで出ていて、年内には第四巻も出版される予定。  内容はアルチュールという青年の日常を女性遍歴中心にユーモアを交えつつ描いた作品だ。日本のマンガに比べると生真面目な印象のあるバンド・デシネの中にこのような作品を発見するのは楽しい。  なお、第二巻の途中からはクララという女性主人公も登場し、今度は彼女の男性遍歴も描かれるようになる。彼女の話を考えるに当たって、物語によりリアリティを与えるために、アルチュールはマイア・マゾレット(Maïa Mazaurette)という女性の原作者を迎えている。   ■アニメ作家としての手腕も高評価 最新作は「カニ革命」  作家としてはまだまだキャリアが浅く、『かわいい罪』とその再編集版である『小さなかわいい罪』(Petits Péchés Mignons)を除けば、作品は存在していない。一方、アルチュールの原点であるアニメーションについては、既に高い評価が与えられている。  最新作は2004年の『カニ革命』(la Révolution des crabes)。この作品は2004年度のアヌシー国際アニメーション・フェスティヴァルで、観客賞を受賞している。5分ほどの短いアニメーションだが、いかにもフランス的な気の利いた作品である。 You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video  なんでも目下この作品を劇場用長編アニメーションにすべく活動中なのだとか。タイトルは『カニの歩み』(La Marche du crab)になる予定。さらには、アニメーションの企画に合わせてバンド・デシネ版を作る企画も浮上中だそうだ。  それ以前の作品、『ジェラルディン』(Geraldine、2000年)と『センチメンタル』(Eau de Rose、2003年)も、それぞれ魅力的な作品である。個人的には『センチメンタル』がお気に入りだ。前者はフランス語のセリフが一切ないアニメーションで、字幕がなくても気兼ねなく見ることができる作品である。ぜひチェックしていただきたい。 You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video  今回はアルチュールにとって二回目の来日だったのだが、すっかり日本が気に入ったようだ。また近い内に、今度は彼の作品の邦訳のニュースを携えて、帰ってきてほしいものだ。  text by 原正人 ## 原正人の「なぜ私はヨーロッパマンガを愛するようになったか」 「こんな時代だからアクセスできるけど、気軽に手を出すにはちょっとよくわからん」というマンガを深追いする連載企画。フランスマンガ研究家の原正人氏が、いまだ知られざるヨーロッパマンガの魅力を隔週金曜日にどっぷりと紹介していく。 第1回 「荒木飛呂彦と宮崎駿の共通点は?」 (4月3日) 第2回 「エンキ・ビラル最新作『アニマルズ』を読む」 (4月3日) 第3回 「フランス漫画の巨匠・メビウス来日!」(5月7日) 第4回 「フランス漫画の巨匠・メビウスを「日本語」で読む」(5月22日) 第5回 「超絶技巧のアート漫画、ニコラ・ド・クレシーを読むっ!【前編】」(6月12日) 第6回 「超絶技巧のアート漫画、ニコラ・ド・クレシーを読むっ!【後編】」(6月26日) 第7回 「ベルギー生まれの画力系マンガ家、シュイッテンの美技に酔う!」(7月9日) 第8回 「ベルギー生まれの画力系マンガ家、シュイッテンの美技に酔う!【後編】」(7月24日) 第9回 「知られざる漫画家アントワーヌ・マチュー、「ルーヴル美術館の謎」巡る物語に注目」(8月7日) 第10回 「主人公の行動を予期するマンガ、ページをバッサリ切り抜いたマンガ――フランスのマンガ家、アントワーヌ・マチューは謎だ!!」(8月21日) 第11回 「フランス漫画にエロカワ×ポップな新人類 アルチュール・ド・パンスのキュートな世界」(9月11日) « Hide it
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新潟には光学迷彩の古民家がある!?―― 大地の芸術祭2009レポート@屋内【前編】

By kujira On 2009年9月8日 · Add Comment · In アートレポート
行武治美 / 「再構築」  先週にもお伝えした、「越後妻有アートトリエンナーレ 大地の芸術祭2009」で見つけた面白い作品の数々。先週は野外に置かれたオブジェや立体などを中心に書いてきた。今週は屋内にある、または「家」そのものをテーマにしたアート作品を紹介する。  人の少ないしずかな集落に佇む、古民家を使ったアートもこの芸術祭の大きな特徴。地元の生活や記憶、芸能に根ざした作品は、環境とともに変わる美しさもあれば、変わらない美しさもあることを再確認させてくれる。  というわけで、はじめに紹介するのはまるで光学迷彩のような家から。 続きを読む≫ 行武治美 / 「再構築」  家の内外全面に、大小様々な円形の鏡が貼られたもの。内側の鏡は一部やわらかな針金で固定されており、風に吹かれると光とともに揺れる。太陽の光を乱反射し、周囲に白い光を散らしていくのだ。鴻池朋子さんの「惑星はしばらく雪で覆われる」も美しかったけど、こちらも見とれてしまう。  つづいては古民家を使った塩田千春さんの「家の記憶」。外側からは実際の古民家にしか見えず、ひとまずは入ってみるしかない。 塩田千春 / 「家の記憶」  一歩入ると、家の中は一面が黒い毛糸でクモの巣状にびっしりと覆いつくされている。ドアも、本棚も、空中も何も関係なく、すべてに黒い影が張りめぐらされる。 塩田千春 / 「家の記憶」  掲題どおり、わたしたちのように家の外にいる人はまったく知らないはずの記憶を共有しているような気分になる。それは後ろ暗いものではなく、あたたかく、やわらかな闇のようなもの。人が家に暮らすというのは、おそろしく生々しいものだ。琴線にふれるような張り詰めたものというより、お互いの毛糸にふれあうようなものなのかもしれない。 澤清嗣 / 「風呂」(「うぶすなの家」内)  こちらは場所を変えて、陶磁器作品を満載した「うぶすなの家」より、鉛釉による浴槽の作品。焼成するとあざやかな緑色になる、信楽焼の特徴である緑釉をかけているものという。澤さんの家は代々続く焼き物しごとの家系。 ドロテー・ゴルツ / 「コーヒー・セレモニー」  いくつものコーヒーカップが溶け合い、一杯のコーヒーがそそがれる。ふすまや縁側のように開放的な、日本のコミュニケーションがあらわれているようだ。ドロテー・ゴルツ(Dorothee Golz)さんはオーストリアの作家。立体をはじめ、デューラーの自画像に自分の顔をCGであてた絵画なども製作しているとても面白い方。 ドロテー・ゴルツ / 「コーヒー・セレモニー」  コーヒーをいただき、この「溶けた」コーヒーカップを持って記念撮影するのがこの「コーヒー・セレモニー」プロジェクト。喫茶(茶室)という日本の所作と、コーヒーというヨーロッパの文化が溶け合ったらどうなるか。  最後には、コーヒー色の絵の具で習字をすることでプロジェクトはおしまいになる。いやー、この字の汚さ… 古巻和芳+夜閒工房 / 「繭の家─養蚕プロジェクト」  最後はふたたび場所を変えて、絹糸の元となる繭玉を使った作品。3年前の2006年にはジオラマなどの作品を作り、今回はそれを発展させた形で繭グッズなどが作られている。繭玉は裏側からライトが当てられ、まばゆく明滅を繰り返す。日の光を見ているよう。 古巻和芳+夜閒工房 / 「繭の家─養蚕プロジェクト」  窓辺には光のシャワーのような形で繭玉が斜めにかかっている。外から射し込む白い光と繭玉の白さが、古民家の濃い暗がりの中にぼうっと浮かんでくる。ぴんと張り詰めた、しずかな光と影の美しさ。 古巻和芳+夜閒工房 / 「繭の家─養蚕プロジェクト」  これがすべて繭玉。ジリジリというランプの音がどこか生々しく、ため息が出るほど美しい。手前にある行李のようなものを開けると明かりは消え、中の真っ白なジオラマが光る。メディアアートというのは、対象がナマっぽいほどに美しくなるものなんだなと逆説的なことを考えさせられる作品。  (記事は後編につづきます) ■アート好きはこちらもどうぞ! ・巨大な色鉛筆が落っこちてきそうな森―― 大地の芸術祭2009レポート@野外【後編】 ・田んぼの中から巨大な帆船が出航?! ――大地の芸術祭2009レポート@野外【前編】 ・アートフェア東京2009のすごい作品 ・六本木はアート・シティの夢を見るか? ■関連サイト ・越後妻有アートトリエンナーレ 大地の芸術祭2009 « Hide it
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巨大な色鉛筆が落っこちてきそうな森―― 大地の芸術祭2009レポート@野外【後編】

By kujira On 2009年9月4日 · Add Comment · In アートレポート
パスカル・マルティン・タイユー / 「リバース・シティ」  いよいよ来週13日までの開催となった「越後妻有アートトリエンナーレ 大地の芸術祭2009」。秋版の開催も告知されているけど、メインの全作品が鑑賞できるのは夏の会期だけ。JRの土日きっぷと駅レンタカーを併用し、最終日まで楽しんでみては。  それでは前編につづいて、野外展示の面白かった作品をずらずらと並べてみる。 続きを読む≫ パスカル・マルティン・タイユー / 「リバース・シティ」  はじめは、冒頭にも写真を掲出した巨大な色鉛筆。1本ごとに国名が示されており、国はいずれも小国ばかり。色鉛筆でイメージするのは、子どもと学校。鉛筆1本の重さは命の重さをあらわしているのかもしれない。 田中信太郎 / 「○△□の塔と赤とんぼ」  つづいてはやはり巨大な赤とんぼ。どんどん先細って行く搭の突端に、ヤジロベエのようなバランスで立つ。歌にもあるようにノスタルジーをさそう赤とんぼも、ここまでスマートになると都市的だ。大きく羽を広げた姿は十字架のようにも見え、なんだか祈りを捧げたくなる。 山本健史 / 「掃天帯土 -天水越の塔-」  巨大物は続く。作家が地元の人々とともに作り上げた焼き物を約8メートルのタワーにしたもの。中には、好きな人の顔をかたどったものなど、思わずにやにやしてしまうようなものも。大地にどすんと根をおろした、芸術の搭だ。 シモン・ビール / 「今を楽しめ CARPE DIEM」  CARPE DIEMは大好きなラテン語。がんこなマイナス志向が凝りかたまったぼくには永遠の憧れになりそうだけど。ともかく、森の中のあずまやに突如ポツンとあらわれるのは、6台の旧式冷蔵庫。中を覗いてみると… シモン・ビール / 「今を楽しめ CARPE DIEM」  夏なのに雪だるま。会期が終わったら溶けてしまうという。せっかく今を生きているのだから、その短いきらめきを大切に生きていこう、ということなのだと思う。 大西治・大西雅子 / 「ゲロンパ大合唱」  かわいいな巨大カエルのオブジェ。コンポストになっていて、畑をたがやしていて出た雑草などをまとめて堆肥にできるというもの。足元のタイヤでゴロゴロ移動するのである。里山に根ざした共同体的アートだ。 鈴木りんいち / 「蟻について」  今度は巨大な蟻。蟻そのものではなく「蟻について」とタイトルにあるとおり、ここまで巨大なのにどこから見ても蟻らしさに遜色なし。 國安孝昌 / 「棚守る竜神の塔」  巨大さはほぼピークに。圧倒的な迫力をなんとか伝えようと頑張って、結果がこの写真という。残念すぎて泣きそう。レンガと丸太を組んで作り上げた、途方もなく大きな竜の搭。きのこが自生していたりしている。生けるファンタジーだ。 ■アート好きはこちらもどうぞ ・田んぼの中から巨大な帆船が出航?! ――大地の芸術祭2009レポート@野外【前編】 ・アートフェア東京2009のすごい作品 ・六本木はアート・シティの夢を見るか? « Hide it
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